太陽の塔
赤いライン、目の光る金色の顔、ピンと伸ばした二つの突起、真っ黒い太陽、ブスッとした顔。
岡本太郎作、『太陽の塔』です。
最近のNHKさんは、「原始に戻れ!」と訴えかけてくるような番組を放送してくれていて、私の心は、日々潤っております。(本当にありがとうございます)
本日のハイライトは、NHK BSにて特集された『太陽の塔』2時間スペシャルです。
デーーーーンと、平気で堂々と突っ立っている、太陽の塔を見ると、
「何だ!」と思わずにはいられません。まさに、岡本太郎の思惑通り。
もう、本当に、このふてぶてしさが、たまらなく大好きです。
何より、この太陽の塔を製作した岡本太郎が、私は大大大好きです。
岡本太郎の作品や生き方に触れると、無性に自分に対して腹立たしくなります。
少し強めに言うならば、
自分の意見や主張を押し殺し、正面からぶつかる事を避け、うまくやろうとする根性。
自分を擁護するあまり、どんどん自分の表面に白粉を分厚く塗りたくる臆病さ。
何でもっと堂々とふてぶてし図々しく、突き進まないのか!!と、一発ビンタしたくなりたくなるくらいです。
うまかったり、まずかったり、きれいだったり、きたなかったりする、ということに対して、絶対にうぬぼれたり、恥じたりすることはない。あるものが、ありのまま出るということ、まして、自分の力で積極的に押し出して表現しているならば、それは決して恥ずかしいことではないはずだ。 ー岡本太郎
近頃、「コレだ!見てみろ!!!!」と、胸の内を全てさらけ出したような何かを、創りたくて創りたくて、胸の内が煮え滾っています。そのくせ、それをどのように表現すればいいのかわからず、ずっとタジタジしているので、自分に本当に腹がたつのです。また、「評価されるようなものを創りたい」だなんて、他者からの評価をどうしても気にしていたり。そうして、自分自身が何を望み、何を考え、何を見ているのかもわからなくなってきている、そんな自分の状況に気づきました。
周りの時間軸がより一層スピードを増し、あらゆるものが渦の中に巻き込まれています。その渦の中にいる私は、一気に多様な価値観に触れ、膨大な情報を片手で入手し、また容易に望むものが手に入れることができます。私の生きるこの時代は、様々な機会の門が広かれていて、この環境をどう使っていくか次第で、なんでもできる自由さがあるなと思います。しかし、「自分は何者なんだろう」疑問からなんだかよくわからない殻をつくって、それにに自分を入れ込んでいる感覚があります。自由度の高いはずの世界で生きているのに、殻に入っているから全然自由ではない。
人間というものは、とにかく自分の持っていないものに制約されて、自分のあるがままのものをおろそかにし、卑下することによって不自由になっている。自由になれないからといって、自己嫌悪を起こし、積極的になることをやめるような、弱気なこだわりを捨て去らなければ駄目だ。 ー岡本太郎
そんな殻を「壊し、突き進め!」と後押ししてくれる存在を探していた時に、岡本太郎がでてきました。
まず、彼の作品の素晴らしさ。例えば、大分県別府市にある『緑の太陽』という作品。
もやもやした時に、よく見に行っては元気をもらっていました。
面識のないビルのオーナーさんが、岡本太郎に無理承知でリクエストしたところ、快諾してくれたのだとか。
次に、渋谷駅の『明日の神話』。せわしなく行き交う人々に、無言でとんでもない迫力を持ちながら、何か訴えています。素通りする人々の中で、ポツンとこの作品をじっくり眺めると、なんだか自分だけ時間軸が違う感じがして面白い。
目をぱちっと見開いて、一生懸命伝えようとする言葉遣い、
自分の興味を、徹底的に探求する姿、
表現したいものを、勢いよく表現するエネルギッシュさ、
年齢や性別や国籍なんて構わず、人と渡り合うチャーミングさ。
何もかもがエネルギッシュでまっすぐな岡本太郎を見ると、スカッとします。
また、岡本太郎はアートが素晴らしいだけでなく、彼のアートや生き方から見られる哲学も素晴らしいです。
美しさを求めるだけではなく、人間がどうすればよりよく生きられるのかとか、世の中に対するメッセージとか、原始的な生命力をも、探し求め表現し続けた彼。
ただ自分がやりたい事をするために、自分に毒(己を鼓舞し、律するための覚悟のようなもの)を持って、生きた姿。
誰のために創るんだろう。考えたことあるか。自分のために?そんなの甘っちょろいよ。植木づくりでもやるんならそれでいいんだ。金のために?だったら創るより早いやりかたがいくらでもあるだろう。 ー岡本太郎
(これ、この目を見開いて話す感じ。最and高)
毒を持ち、エネルギッシュで情熱的で、とても優しい岡本太郎は本当に憧れです。
しかし、私も、岡本太郎を指咥えて憧れの眼差しばかり持ってそこで完結するのではなく、
岡本太郎をも越えるほどのエネルギッシュさで、思いっきり生きたい!そう思います。
彼の本はいくつか持っていますが、私は、この本が好き。
岡本太郎が自身で、彼自身の生の言葉を詰め込んだ本、「壁を破る言葉」
この本に、いつも自分で自分を囲っている窮屈な殻を突っつかれています。
さっきから、ちょくちょく小出しにしている岡本太郎の言葉は、この本に綴られている岡本太郎の言葉たちです。本当に、かっこいいよね
思い切って、のびのびと踏み出してみる。そして人間的な自由とはなんであるか、その歓びをみずから発見するんだ。 ー岡本太郎
昨日は、『太陽の塔』の内部一般公開がされた日。あの太陽の塔に内部があったなんて、最初に知った時は本当に驚きました。あんな"べらぼう"なかをして図々しい奴に、あんな繊細な内部が隠されていたなんて、、、!一般公開といっても、今はまだ予約制で、四月まで予約でいっぱいなのだとか。
早く、あのブスッと図々しく突っ立っているアイツ(太陽の塔)とアイツの内部を目撃したい!
実際に見ると、本当に「ナンダコレハ!!!!」ってなるんだろうな、、、
楽しみがひとつできた!
Yes!
(キラーーーン★)
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